1996年8月はじめての海外 in Viet Nam② [TRIP]
1996年8月はじめての海外 in Viet Nam①からの続き。
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朝食は、近くの屋台で、フォーやおかゆを食べた。
日本の家庭の風呂にあるような、プラスチックのチャチな椅子に座って。
両方ともあっさりしていてとても美味しかった。
日本円では100円にも届かない安い金額で、この美味しさ。
これは日本でも絶対流行る味だと思った。
おかゆを作ってくれる小錦(KONISHIKI)みたいな大柄なオバちゃんは
僕が「美味しい!」というと
「アジノモト!アジノモト!」と連呼して、味の素のビンをさした。
味の素のグルタミン酸は確かにうまいけどね(苦笑)
・・・ちょっとむなしい。
ホーチミンの街は、喧噪とした迫力が圧倒的で、慣れるのに時間がかかった。
同じホテルに泊まっていて、仲良くなった30代の日本人夫婦は言っていた。
「今、ベトナムは日本の昭和30年代、40年代の雰囲気なんだそうです。
でも、エネルギーが吸い取られるような感じがして、疲れますね。」
確かに疲れます。
(ちなみに、この夫婦は同じタクシーの運転手に10ドルでこのホテルに連れて来られた。
やっぱり、ボラレタのね。
僕の方は7ドルなので、ちょっとだけ優越感。
僕の見てくれが貧乏そうなので、まけてもらっただけかな。)
街の道路は、きちんと舗装されておらず、車はあまり走っていない。
人々はスクーターと自転車でツーリングを楽しんでいる。
街はクラクションの音で満開だ。
数多くのファミリーが、スクーターに4、5人乗りでツーリングを楽しんでいた。
スクーターは、こんなにパワーがあるんだと妙に関心。
スクーターに乗っている人たちは、「どうだ!俺のバイクを見ろ!」と誇らしげ。
話を聞くと、ホンダがNo.1ブランドらしく、自分の所有しているスーパーカブを自慢していた。
ホンダじゃないバイクにもホンダのステッカーを貼ってホンダっぽく見せている。
ご愛嬌。
白のままキープするのが格好良いとのことで、自分の愛車の外装を一生懸命磨いている。
さて、帰りの飛行機は、ハノイからだから、ホーチミンから脱出して北上せねば。
ホーチミン - ハノイ(1726km)の南北線(統一鉄道)を使おう。
長い電車の旅だ。
苦労して、中部にある古都フエまでのチケットを買った。
当時は外国人料金があり、現地人の二倍の料金で結構高かった。
「まあ、何とかなるだろう。」とケチって二番目に安いシートの席にしてしまった。
(参考)古都フエ(wikipedia記事)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A8
駅員さんが珍しい日本人を見ようと何人も集まってくる。
近くの席の人も珍しそうな目つきだ。
駅弁がつくが、安い席の弁当のせいか、美味しくはない。
パサパサしたご飯に、干からびたお肉等。
それにミネラルウォーター。
いずれも食事の時間に配られる。
寝台車にしなかったせいもあり、夜も普通に座った体制のまま眠る。
眠りは浅いが結構眠れる。
車窓から外をぼんやり見ていると、一面にベトナムの田や畑が広がっている。
その中には水牛と菅笠をかぶった農家の人が見える。
突然、数十人もの子供が電車の方を見つめている姿が目に入ってきた。
電車の客がお菓子や食べ物をどんどん外に向かって投げている。
子供たちはそれらを拾っている。
なんだろう。これは。
なぜか、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い出してしまった。
電車の中では、隣の席にいたベトナム人と片言の英語で会話をしていた。
僕の顔が締まりがなかったせいだろうか。
Be Careful.
と、忠告を受けた。
その彼がホテルを紹介してくれると言うのでフエを一緒に歩くことになった。
駅前では自転車の前に座席をつけた人力車「シクロ」の運転手が多くたもろしていた。
僕たちにしつこく声をかけてくる。
300メートルくらいずーっとついて来る。
しつこいなあ。
連れのベトナム人がベトナム語で何か発した。
すると突然、運転手激怒!
何が起こった??
連れのベトナム人が僕に向かって言った。
RUN!
何が起こったかわからないまま必死で逃げる。
そうこうしているうちに分かれ道で連れのベトナム人が泣きべそをかきながら言った。
BYE!
そう言いながら、細い橋を渡って僕を置いて行ってしまった。
「はい?BYE!って?約束は?」
しかし、ボヤっとしている場合ではない。
もう夜中の10時を回っている。
早くホテルを見つけなくては。
あわててホテルを探して大通りを徘徊。
目に入ったホテルで一番安い部屋に入った。
サイゴンビールを飲みながら、やれやれひどい目にあったと思いつつ、一服する。
まさにBe Careful.だな。
次の日は朝から古都フエの街をレンタサイクルで走り回った。
うだるような暑さだったが、風情がまだ残っており、独自の文明を感じた。
昼間からビールを飲んでのどを潤しながら、ホーチミンよりずっと落ち着いた雰囲気が気に入った。
さて、長居はしていられない。
ハノイ行きのチケットを買って、電車に乗った。
無事に生きて帰るぞ!
隣の席の人は、ひげがボーボーで色黒のアジア人だ。
お互いちょっと警戒。
「・・・もしかして、日本人ですか。」
「そうですが。」
「よかったああ!」(二人同時)
日本人と隣の席になることがこんなにうれしいことだとは思わなかった。
(続く)
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