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映画「なくもんか」感想 [MOVIE]

脚本:宮藤官九郎 主演: 阿部サダヲ 監督:水田伸生。
いつもの松江サティのレイトショーを見てきた。
客の入りは3割くらい。
松江サティ的に、まあまあ。

この映画、中盤まではここ数年で見た映画(十数本ほど)の中で一番良かった。
そういう意味で、最後の沖縄のシーンが相当もったいない。
設定に問題があるし、瑛太の演技も吹っ切れてなく台無し。
それでも、評価は75点。
「おくりびと」以来のお勧めできるレベル。

この映画の良さは、最後の方は残念だったが、やはり宮藤官九郎脚本。
家族をテーマにしているが、ホームドラマのような安っぽい「愛」を単純に描いたものではない。
いろいろと屈折していたり、問題があったりするけれど、それでも一緒に食卓を並べて一緒に過ごすことが大事ということ。
徹底的な善人である主人公も、それまでの度重なる積み重ねにも関わらず、親の経歴から濡れ衣を着せられるとあっさり周囲に裏切られる。
さらに、無実の主人公は周りの裏切りに大きなショックを受けつつも、それをぐっと飲み込んでやり過ごすところに、すごいリアリティが。
こういうスパイスを笑いの中にさらっと入れてくるところがすごい。
日曜日の夜にオカマになることでストレス解消するといった、家族にも言えないようなことで、「いい人」人格を維持しているという点も、宮藤官九郎氏らしい鋭い人間観察。

細かいところだが、エコと人間どちらが大事という感じで、エコをギャグにしてしまっている点も面白い。
エコって市民権を得すぎているから、それを揶揄しているのだろう。

ギャグというと、作品の雰囲気が筋肉少女帯の「これでいいのだ」を思い出す。
「僕は満天の星の下泣きながら思った これでいいのだ つらくてもこれでいいのだ
テレビの男が言う 西から登ったお陽様が東へ沈む これでいいのだ
そうだ これでいいのだ! だがしかし・・・だがしかし・・・」(「これでいいのだ」より)
宮藤官九郎さんが実は影響を受けていたりして。

最後の娘役の絵は、絵自体もとても良いが、まさにこの映画のテーマそのもので、とても良い。
この絵に対する、陣内孝則の台詞は、この映画のテーマを語る上で非常に重要なのだが、さらっと流れてしまう。
この辺は監督なのか、脚本なのか。
それが自然な感じで、僕は良かったと思っている。

役者で出来が良かったのは、やはり阿部サダヲ。
この人じゃないとこの映画は成立しない。
他の人では演じられない。
「木更津キャッツアイ」以来のファンです。
さすが!という感じ。

次に、竹内結子。
気っぷの良さと芯の強さが素直に出ていて良い感じ。
阿部サダヲに対する蹴りの切れも良かった!
良い蹴り!だ。
もともと好きだが、さらに株上昇。

最後に、竹内結子の娘役だった山口愛(やまぐちめぐみ)。
難しい役柄だったと思うが、彼女の演技は、子役でかわいいというレベルではなく、全般を通じて相当良かった。
すごい女優になるかも。

なくもんか公式サイト↓
http://nakumonka.jp/index.html
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