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情報調査力のプロフェッショナル 上野佳恵著 [BOOK]

ダイヤモンド社、2009年3月発売。

上野佳恵さんは、日本能率協会総合研究所、マッキンゼーなどで経験を積んで、現在、リサーチ関連業務の会社を率いている、情報調査のプロフェッショナル。

作者にも作品にも何の予備知識もなく、手に取ってみた。
この本は、企業に勤めるビジネスマン向け、特にリサーチ業務にフォーカスしており、そういう意味では必ずしも僕にあっているわけではないのだが、結果的に非常に有用な本だった。

情報調査というと、僕なんかの場合は情報源を思いつかなければ、とりあえずGoogle、検索結果が多ければより複数のキーワードでクロス検索し、検索しながら場当たり的にまとめ方を考えていく訳だが、それが本当に効率的かというのが、ポイントの一つ。
自分がどういう目的を持ってどういう方法で調査をすると、より効率的か。
「調べるサイクル」を徹底的に意識する。

まず調べる前に立ち止まって考えるということが大事。
どうにも性格的にスピード重視というか、せっかちなところがあって、ここは意識しなければ。

「仮説思考というのは建物全体の構造を考え、それからここの部分を設計していくやり方。
リサーチの仕事というのは、どの部分をどのような目的で使いたいかというような詳細まで決めてから全体の設計案を考えるやり方。」(p.202)
前者がコンサルタント、後者がリサーチャーの仕事ということ。
いずれにせよ、調べる前にとことん詰めないとプロフェッショナルにはなれない。
コンサルタントにしろ、リサーチャーにしろ、立ち止まって詰められないと話にならないのだろう。

後は、リサーチャーという仕事とインターネットの話も印象に残った。
インターネットが普及する前は、情報の収集でお金をとることができたし、会社にも調査部門は独立して存在していた。
上野さんも、リサーチで食べていこうと決めたとき、インターネットに脅威を感じてそうだ。
しかし、結局、必要な情報を集め、使いこなすというのは、高度な専門性が必要。
インターネットは非常に有効なツールではあるが、情報源そのものではない。
商社だって、情報収集力こそが収益の源のため、インターネットがあれば不要ではないかと言われていたが、結局そうはならなかった。
形式知すらネットに溢れていない発展途上国だったら、現地に行かないとわからない情報はたくさんあるし、インターネットが普及している先進国だっていくらでも暗黙知がある。
インターネットは、社会のあり方を大きく変えてきているが、それでもすべてが変わる訳ではない。


情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」

情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」

  • 作者: 上野 佳恵
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2009/03/13
  • メディア: 単行本



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