SSブログ

”ようこそ”と言える日本へ 土井香苗著 [BOOK]

岩波書店、2005年8月発売。

著者の土井香苗さんは、僕と同世代であり、同世代の中で最も活躍されている人の一人だと思う。
土井さんが司法試験を最若年齢合格で受かって、大学を卒業する前なのに、アフリカのエリトリアに単身乗り込み法律制定の仕事に打ち込んでいたとき、
僕も同じ大学生ではあったが、将来に対する展望がまるで開けておらず、勉強にも身が入りきれず、授業に漫然と出ていたり、バイトをしたりして、休みのときには海外貧乏旅行をしていた。
そんなときに、ほぼ同年代の人にこんなにがんばっている人がいるということをマスコミを通して聞いていたが、遠い世界のように感じていた。

この本が書かれたのは、今から4年前で、難民支援の弁護士をされていた。
そのとき、僕は東京のビルの森の真ん中で必死になって働いていた。

今、土井さんは、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィス代表をされている。
僕は島根のワークライフバランスの実現した生活の中で、本を乱読して見つめ直している。

さて、本題。
この本は、土井さんのエリトリアや難民支援の経験を平易な文章で、信念である一人一人の「人権」が尊重される社会の実現に向けて邁進している様子を描いている。
こういう複雑な問題の本質は、こういうときこそ、言わないといけないはずのマスコミも扱いたがらない。
土井さんが伝えてほしいことは、華やかな経歴ではなく、こうした問題の数々だろう。
華やかな経歴を伝えることは誰でもできるのだから。
いつまでたっても、問題が問題としてほとんどの人に認識されない、日本の抱える構造上の欠陥の深刻さをより感じた。

また、恥ずかしながら全く知らないことが数多くあった。
学問については知らなくても恥ずかしいとあまり思わないが、社会問題を知らないのは恥ずべきことだ。


ようこそ

ようこそ

  • 作者: 土井 香苗
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/08/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。