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断る力 勝間和代著 [BOOK]

文春新書、2009年2月発売。
勝間和代さん本の感想第5弾。

勝間さん節、「大爆発」の本。
「日本版『鉄の女』」、勝間和代。

全編、「そこまで言いますか?」というほどのインパクト。
一種の「実験的な本」とも言える。

インパクトがあった、主な部分は以下のとおり。

①表紙の手を挙げて断っている勝間さんの姿のインパクト大。この表紙自体、賛否両論あるでしょう。
②「また、勝間の自慢話が始まった、と呆れてしまう人たちがたくさんいることも重々承知の上で、書いています。」(p.21)
③「『断る力』がないと『2ちゃんねる』で不満をぶつけてしまう」(p.32)・・・例によって、具体的な人の例を挙げて書いています。この人も本で取り上げられたことを知ったら、立ち直れないダメージを受けるでしょう。勝間さんは、おそらくこの人を敵にまわしてもかまわないという確固たる自信があるのだ。
④「相手の肩書きをみて、少しでも自分より上だと考えてしまうと、とたんに媚びへつらうのです。私はそういう人たちを、『ランク主義者』と呼んでいます。」(p.136)

僕のまじめな感想は以下のとおり。

断らず同調する人に対して否定的な見解をぎっしり並べて、誰でも代わりがいる「コモディティ(汎用的な人材)」になるのか、代わりがいない「スペシャリティ(市場価値の高い人材)」になるのかを迫力ある文体で、読者に問いかける点は非常に秀逸。

実際には、世の中には、圧倒的に同調性があり、誰からも好かれ、同調することにストレスを全く感じない人もいる。
(そういう才能はある意味「スペシャリティ」と言えるかもしれない。)
そういう才能を持った人が日本の社会では中心的な役割を担っていると思うし、それはそれで良いと思う。
それに、勝間さんがこの本を通して、お薦めする生き方、すなわち、リスクをミニマイズすることに注力するのはなく、リターンをマキシマイズすることに注力する人が増えた場合、正直、本当に社会が良くなるのかもわかりません。
リターンをマキシマイズすることは、自分の利得だけを考えることにつながりかねず、他人のことを思いやる気持ちが忘れ去れるかもしれないから。
勝間さんが「利他」を大事にしていることもわかっているけれども、リターンをマキシマイズする生き方は、目先の「利己」の方だけにもつながりやすい考え方でもあります。

しかし、そこを強調しすぎると、結局、何にも改善しない。
「空気を読むこと」が過度に大事にされる社会は、閉塞感で覆われて、息苦しい。
もっと社会には出る杭がいっぱいあって良いと思う。
そういう意味で、あえて勝間さんは、「スペシャリティ」や「断る力」を単純化して記述したと理解しました。

そのバランスをどのように考え、これから生きていくかとを改めて考えさせてくれた。
そして、「自分の感性を大事にして、できる範囲でやっていこう」という「割り切り」もね。
良い本です。


断る力 (文春新書)

断る力 (文春新書)

  • 作者: 勝間 和代
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/02/19
  • メディア: 新書



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